PROJECT STORYプロジェクトストーリー03

商品・市場開発部Product & Market Development Department

IoT時代到来に向け、
新たな基板で
次世代をリードする

「商品・市場開発部」は、新しい商品を開発し、新しい市場を開拓することに特化した部署。
これまで培ってきたプリント配線板や検査機「VISPERシリーズ」などの開発経験やノウハウをベースに、
「いまのビジネスモデルにこだわらず、何をつくってもいい」
と社長から直接ミッションを与えられている。
ここでは技術者と営業担当がスピーディーに連携し、
日々奮闘する姿がある。

現在ヒット中の透明フレキシブル基板の見本の数々。透明でしなやかなため、使用用途の幅は広く、大きな可能性を秘めている。

新たな商品と市場を開発するには、大胆な発想や行動力が必要。そして緻密な数字の検証も。
それらをチームで力を合わせて取り組んでいる。

枠にはまらない個性派がそろった新たな部署。
これまでにない新製品を生み出すために。

「商品・市場開発部」は、創業50年以上の上場企業にも関わらず、その職場の雰囲気はベンチャー企業のような独特な空気感である。配属された社員たちは、枠にはまらない個性派ぞろいだ。
 「同じ町を歩くにしても、ぼっーと何も考えずに歩くのではなく、新商品のヒントを探しながら歩くように、みんなには話しています」。そう話すのは、この部署の責任者である岡田浩一部長。新しい商品を開発し、新しい市場に投入するために、普段の生活の中でも商品開発の意識を持つことをメンバーに求める。営業先で「こんなのがあったらいいのだけれど」という声を聞けば、すぐに部署内で試作品を開発してみる。そして検証し、改善を繰り返す。これまでにないものを作るには、大胆な発想と地道な行動をスピーディーにとることが必要なのだ。

これまで培ってきた技術を
ベースに
透明でしなやかな
基板を開発してヒット!

そうして誕生したヒット商品が、透明でしなやかな基板「透明フレキシブル基板」である。基板というと緑色の硬い板のイメージが強い。この透明な基板は色がついておらず、しかも曲げられるので、これまでは思いも寄らなかったシーンで使われるようになった。きっかけは、ある新商品についてミーティングをしているとき。販売が思ったように伸びない商品だった。「何で売れないんだろう」「透明だったら使いやすいんじゃない?」。そんなやりとりで、透明なスケルトンを使った基板を考えはじめた。「そういえば透明な製品のブームって、10年に一度はあるなあと。基板もスケルトンにしたら流行するかもしれない! 最初はそんな安直な考えでした」(岡田部長)。
 そうして樹脂など原材料からすべてを自分たちで試行錯誤し、シライ電子工業オリジナルの新商品を完成。量産化に成功し、透明でしなやかな基板の特長を生かして、血液検査装置やアミューズメント機器、LED照明など、さまざまなシーンでこれまでにない新しい製品や表現方法を作るための重要部品となった。2015(平成27)年には、光るウェアアート作品を玉川大学芸術学部と共同開発し、カナダで行われたウェアラブルテクノロジーにてファッションショー形式で発表。エンターテイメント市場も視野に入ってきた。

玉川大学芸術学部と共同開発した光るウェアアート作品。
2015(平成27)年にカナダのウェアラブルテクノロジーで発表された。

営業の小林廣史。
「目標は量産化されるような新商品をつくること。全く新しいスポーツ用品など、これまでになかった商品をつくり出せる人になりたいですね」

新しい商品と市場を開発するために、
営業社員たちが力を注いでいること。

新しい商品を開発するために、技術者だけではなく、市場の最前線にいる営業の力が必要だ。営業の小林廣史は、お客様のもとを訪問し、本当のニーズを引き出すのが自分の仕事だという。「人は自分の本心を、簡単には話してくれません。だから信用していただくためにも、お客様のことを理解しようと心がけます。とことん興味を持ちます。お客様が一体何を求めているのか? それはなぜなのか? 最初の動機まで徹底的に耳を傾けることで、お客様が本当に求めている商品を提案することができます。ときには、お客様自身さえ気づけなかったニーズが、私と話すことで浮かび上がってくることがあります」。

これからのIoT時代をリードする
シライ電子工業の製品と
社会的使命感。

技術部からこの部署に異動し、「透明フレキシブル基板」の開発に携わった望月亮太は、いま営業に取り組んでいる。さまざまなお客様のニーズを直接聞き、それに合わせた基板を製作。特殊な基板をつくることもある。「その分、おもしろい場所で使われることが多いですね。これからIoT時代、すなわちあらゆるモノがインターネットでつながる時代が到来します。そのとき、基板はいままで以上に重要部品になることは間違いありません。すべてがインターネットでつながるためには、それぞれに合った特殊な基板があった方がいい。それに対応できる力を、私たちがさらに向上させていくことは、次世代を切り拓くためにも必要だと考えています」。新しい商品を開発するには、社会的な使命感も必要なようだ。

透明フレキシブル基板開発に携わった望月亮太。
「自分たちがつくった商品を目にする喜びは大きいですね。あるテレビ番組の特殊なスタジオセットで使われていたときは感動しました」